2005年1月27日
朝8時15分、ラマディの北部で戦闘の音と、狙撃兵の撃つ銃声が聞こ
えていた。今朝、3人の民間人が殺されたと何人かが教えてくれた……。
出れば撃たれるかもしれないから、みんな家から出たがらない。なぜなら、
狙撃兵は真夜中にこの町のいたる所にやってきて、民家の屋上を占領
していくからだ。
選挙まであと2日。けれど、ファルージャやラマディの雰囲気はまさに
戦場で選挙どころではない!僕たちは家族を守ることに精一杯で、誰に
投票するかなんて考えられない。バグダッドの友人たちは選挙プロパ
ガンダについてとてもおかしなことを言っていた。党を代表する立候補者
の名前が公表されておらず、数字があるだけだというのだ。この数字が
意味するリーダーの理念も知らされず、ただ数字を選ぶのに選挙に行く
人なんているだろうか。この数字が良いか悪いかは運次第……ってこと
かもしれない。
ファルージャやラマディの人たちは恐らく、チャンスがあっても選挙には
行かないだろう。なぜなら、ほとんどの数字は犯罪者のような政党だから
だ……。たいていのこういう政党は、過去25年間イラク人を利用してきた。
それら政党は市民に対抗し、また他の政党とも対立してきた……。
とにかく多くの問題を引き起こしてきたのだ。
そして今度はイラク人に命がけで投票するように呼びかけている。
われわれイラク人に与えられた選択肢は3つある。“悪い”、“より悪化”、
もしくは“死”だ。これがイラクにある選択なのだ。しかし、ファルージャ
とラマディにはたった一つの選択肢、“死”しかない。僕たちは、“悪い”
や“より悪化”に投票することもできないのだ。